ガーメントプリンターの耐久性その2

前回ガーメントプリンターの耐久性を書いたのですが、ドライTシャツについては全く書いてないことに気付いたので”その2”です。

まずはドライTシャツの広まりについて

もともとドライTシャツというものは無く、Tシャツと言えばコットンのTシャツでした。以前は、スポーツブランドやアウトドアブランドで機能Tシャツとして出ていました。

実際にスポーツする人にはなくてはならないようでしたが、一般的ではなく、普通の人は「テカテカしている」「ゴルフ?マラソンするおじさんみたい」という反応が大半。

現在もキャブ社に『ドライT5660-01ドライコットンタッチ』という品番はドライTシャツだけどコットンTシャツに見えるTシャツ『機能はドライみためはダサいドライに見えない』として出てきた商品です。

流れというか人々の認識が変わったのは今から4、5年前。2015年~2016年辺りでした。

何故か?機能重視思考で着る人が増え、来てる人がどんどん増えるから見慣れてきて、何時しかドライ素材がダサイと思う人がいなくなってしまいました。

夏暑い時のイベントでコットンTシャツだと汗シミがでるけどドライTだと汗で重くなることすらなく快適。

『吸水速乾』これって凄いことですよね。

汗を素早く吸い取り、生地広域に拡散することにより、速乾する。乾燥も化繊なので水分を貯めこまずそのため速乾です。

この機能によりその日のうちに洗濯したら朝には乾かせるので、洗い替えも必要なくなりました。

今ではプリントする3分の2はドライTシャツに変わりました。

ドライTシャツについてもう一つ、天然の綿素材と比べると、化繊ですので糸の長さはどれだけでも長いものが作れ、化繊なので毛羽立ちもなく均一です。

長い糸をわざと切ってTシャツを作ると前に触れた『ドライT5660-01ドライコットンタッチ』のようなコットンTシャツのようなものも作れてしまいます。

長い糸を長いまま使うとテカリのあるあのドライTシャツの光沢感がでます。

プリントするTシャツの素材が変わった事を受けて、ガーメントプリンターも変わりました。

それまではbrother独壇場だったプリント機器も2013年3月に発売されたepsonのガーメントプリンターSC-F2000によってすっかりbrotherを駆逐してしまいました。

その後の濃色ドライTへのプリントについても新たな機種は出ていますが、優位変わらずという流れ。

ガーメントプリンターでは以下の4種類ですべて印刷方法前処理剤が変わります。
1.コットンTシャツ白色ボディー
2.コットンTシャツ濃色ボディー
3.ドライTシャツ白色ボディー
4.ドライTシャツ濃色ボディー

それぞれの前処理剤
1.前処理剤いりません
2.コットン濃色ボディー用前処理剤
3.ドライ白色ボディー用前処理剤
4.ドライ濃色ボディー用前処理剤

1については従来からプリントできていたものなので触れません。

3についてこちらも案外前から使われていました。多分最近のものの方が性能が上がっていると思います。

2についてepsonのガーメントプリンターSC-F2000が白色インクを搭載して2013年3月に発売されました。

少し前にbrotherも白色インクを搭載した機器を出していましたが、白インクが固まるという問題がありまして、固まらないようにするため、かなりの手間が掛かっていましたが、epsonは白インク循環装置を付けて手間が殆どなくなったというのがepsonの勝因です。

また、その後の濃色ドライT用前処理液がepsonから発売されました。(ほんとはユーロポートという資材会社が先行して自社で作り、販売していましたが、本家がブン取った感じです。。。)

brotherからは発売されません。

理由はインクの違い、インク定着するためには一定の温度をかける必要がありますが、ドライ素材の場合80度以上の温度をかけるとブリード現象(昇華移染)
といって、ドライ生地を染めた色が生地を離れ他のものに再付着してしまう現象をいいます。

ガーメントプリンターでは例えば赤いTシャツに白いインクをプリントした場合にTシャツの赤色がガーメントプリンターでプリントしたばかりの白色に再付着してピンク色に変えてしまいます。

熱をかければかけるほどブリードが強くなるのですが、epsonのインクはbrotherのインクに比べ低い温度で定着します。

それがepsonがbrotherに対して優位性が高い理由となります。

さて、プリントされる素材、プリントする機械について説明しました。

お題に立ち返りガーメントプリントの耐久性、ドライTシャツについてです。

ドライTシャツについては白色ボディーと濃色ボディーではプリントインクと生地との間に入る前処理剤が変わります。

前処理剤によっても強度は変わりますが、前処理剤をたっぷり塗らなければいけない濃色ボデイーと比べ白色ボディーの方が堅牢度は上がるように感じます。

濃色ボディーにのガーメントプリントについて、結構しっかり定着しているようで1年2年経っても全く色落ちのない事が多いです。まれにプリント色によってあっさり取れてしまう事例も発生しています。

まだまだ、確立された技術ではないイメージのプリント方法でもあります。

一気に書いてしまいました。。。それではまた!